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体がだるい・倦怠感
~コロナウイルス・インフルエンザによる倦怠感はいつまで?~

だるさや倦怠感とは

適切な休息をとったつもりでも、体がだるい、眠い、体が重い、何もしようとする気にならない、疲れが抜けずに集中できないなどの症状を総称して「だるい」と表現することがあります。
これらの症状が深刻になると、「倦怠感」という医学的な言葉が用いられますが、多くの方が、こうした症状を経験したことがあるでしょう。
働きすぎや過度な運動によって一時的にだるさを感じることはありますが、通常は自然に回復します。しかし、慢性的な体のだるさが続く場合は、何らかの病気が原因である可能性があります。

だるさや倦怠感の症状

通常、だるさや倦怠感の症状としては、「体が重い」「集中力がない」「何をするにもやる気が出ない」「熱はないのに体がだるい」などの症状を指します。
この状態には、過度な運動や仕事による肉体的な疲労が原因となる場合と、身体的な負荷が少ないにもかかわらず精神的な疲労による場合があります。
基本的には、肉体的な疲労が原因であれば十分な休息をとり、精神的な疲労が原因であれば心をリラックスさせることが、解消に役立ちます。
ただし、だるさや倦怠感がいつまでも長引く場合は、重大な病気の兆候である可能性が考えられます。単に疲れているだけだろうと楽観せず、一度当院までご相談いただくことをお勧めします。

病気から起こる
だるさや倦怠感

だるさや倦怠感は、様々な病気の症状として現れることがあります。
風邪やインフルエンザ、急性肝炎などの急性疾患、腎疾患や心疾患などむくみを伴うもの、顔色が青白くなるような貧血によるもの、慢性肝疾患、結核やがん、さらにはうつ病や心身症などの精神疾患などが原因となることもあります。
その中でも以下に挙げる病気は、医師に相談すべき代表的なものです。これらの症状に心当たりのある方や倦怠感がひどい方は、お早めに当院までご相談ください。

貧血

赤血球中のヘモグロビンは鉄分とたんぱく質で成り立っており、鉄分は全身に酸素を行き渡らせるという重要な役割を担っています。鉄分が何らかの原因で不足したり、出血などで過剰に失われたりすると、細胞に酸素が供給されなくなり、立ちくらみ、だるさ、倦怠感などが起こります。これが鉄欠乏性貧血です。
鉄分が不足しても、体は無理に血液を作ろうとするため、おのずと赤血球は小さくなり、血液に赤みがなくなります。そのため、顔などが青白くなることがあります。

貧血

風邪

風邪は細菌やウィルスなどの微生物によって引き起こされます。これらが体内に侵入すると、体の免疫システムがこれらを排除しようと作動します。この免疫反応により、発熱、頭痛、頭重感に加え、免疫系が病原体と戦うために起こる炎症の結果、呼吸器系に咳、腹鳴(お腹がボコボコとなる)、鼻水などの症状が起こります。これらの現象はエネルギーを消耗し、無気力やだるさ、倦怠感の原因となります。

急性肝炎

急性肝炎はお酒や薬によって引き起こされることもありますが、ほとんどの場合はウィルスが原因です。A型からE型までの5種類のウィルスがよく知られています。
肝炎ウィルスに感染すると、場合によっては最長6ヶ月の潜伏期間を経て症状が現れます。最初は突然の発熱といった、風邪のような症状です。その後、尿が褐色になり、吐き気や嘔吐が起こり、全身の倦怠感を感じます。黄疸も多くの症例で見られます。

うつ病

うつ病は、憂うつ、気分が沈む、落ち込む、不安になるなどの精神的な自覚症状と、食欲不振や性欲減退、頭痛、肩こりなどの身体な自覚症状に加えて、だるさや倦怠感なども伴うのが特徴です。これらの症状は自分ではコントロールが難しく、かつ長期間にわたって続くため、それが身体に大きな影響を及ぼし、日常生活にも著しく影響することがあります。

糖尿病

膵臓から分泌されるインスリンの量が減少したり、インスリンの質が低下したりすると、血糖値の適切な調整が難しくなり、それが続くと糖尿病になります。糖尿病になると腎臓だけでなく、目、神経、循環器などさまざまな合併症が生じ、生命にかかわる重篤な病気となることがあります。
腎臓は一般に「静かなる臓器」とされ、自覚症状が現れるまでに時間がかかります。そのため、健康診断や血液検査によって血糖値やヘモグロビンA1cの数値が指摘され、初めて病気に気づく患者様も少なくありません。しかし、進行すると多尿や頻尿などが現れ、全身の倦怠感などの自覚症状も見られるようになります。
定期的に血液検査を受け、異常が見られれば速やかに腎臓病専門医にご相談いただくことが重要です。

糖尿病

腎不全(腎臓の機能低下)

腎不全が進行し末期になると、体内に尿毒症物質が蓄積し、その結果、様々な尿毒症の症状が現れます。
その中で典型的な症状の一つがだるさや倦怠感です。同様に、腎障害による貧血が進行すると、全身に酸素が行き渡らず、だるさや倦怠感が生じます。また、排尿異常などによる高カリウム血症などの電解質異常がある場合も同様な症状が見られます。
腎機能異常によって強く感じるだるさや倦怠感は、腎不全が末期状態であることが多いです。このような場合、治療の段階を腎代替療法に移行するべき時期のサインとなります。だるさや倦怠感などの症状が長引く場合は、腎臓内科での検査が推奨されます。

慢性腎臓病(CKD)

新型コロナウイルス

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2というウイルスによって引き起こされる感染症です。
感染は、感染者の咳やくしゃみ、会話などで排出される飛沫やエアロゾルを吸い込む、またはウイルスが付着した手で目・鼻・口を触れることで広がります。
主な症状は、のどの痛み、咳、鼻水・鼻づまり、倦怠感、発熱、筋肉痛などで、軽症の場合は発症後1週間以内に回復することが多いです。
一方、高齢者や基礎疾患のある方、一部の妊娠後期の方は重症化しやすく、特にCOPD、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、喫煙がリスク要因とされています。
重症化のリスクがある方や症状が重い場合は、医療機関に相談しましょう。

コロナウイルスによる倦怠感はいつまで?

倦怠感の回復には個人差があり、大きく以下の3つのパターンに分かれます。

① 急性期(発症から約2週間)
多くの方はこの期間中に症状が徐々に改善します。

② 回復期(2週間〜1ヶ月)
大半の方はこの期間で日常生活に戻れるようになります。

③ 後遺症(1ヶ月以上)
一部の方では倦怠感が長引くことがあり、病院の受診が必要になる場合があります。

ただし、これはあくまでも目安であり、回復のスピードには個人差があります。
コロナ後遺症は数カ月で改善することもあれば、1年以上続くケースも報告されています。
倦怠感が長引く場合は、無理をせずご相談ください。

インフルエンザ

インフルエンザは、普通の風邪とは異なり、突然の高熱(38℃以上)、関節痛、筋肉痛、頭痛などの全身症状が強く現れるのが特徴です。感染すると約1~3日の潜伏期間を経て発症し、最初の数日間は高熱や倦怠感、食欲不振などが強く現れます。その後、咳や喉の痛み、鼻水などの呼吸器症状が出始め、腰痛や吐き気などの消化器症状を伴うこともあります。通常、10日前後で症状が落ち着き回復します。

インフルエンザによる倦怠感はいつまで?

インフルエンザによる倦怠感は、熱が下がった後も1~2週間ほど続くことがあります。
インフルエンザを発症すると、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの強い全身症状が突然現れます。倦怠感も発症初期からみられ、通常は1週間ほどで症状が軽快しますが、ウイルス感染による体力低下により倦怠感が長引くことがあります。
ただし、熱が下がった後もしばらく倦怠感が続く場合は、別の病気の可能性もあるため注意が必要です。1~2週間様子をみても改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。

 

インフルエンザ